【古マイセン】　“マルコリーニの花” ／陰影のある花のプレート＋カップ ①

ボタン剣
カップは一級品、プレートにはスクラッチがあります。



ある一部の方々の興味は引きますが、その他大勢の方々には見向きもされない類の絵付けです。

なんとまぁ可哀想なことを云い放ちましたが、実際ある意味、毒の有る花です。

ベーシックフラワーやブーケと昆虫などで見慣れた明るい普通の花とは異なり、一癖も二癖もあるような微妙な色遣い。



所が困ったことに、これがクセになるのです。
いわゆる中毒ですね。

この、こっくりとした色調。

花弁の一枚一枚に表現されている光と陰（影）。

陰の部分をただ暗く彩色するのではなく、筋の一本一本を丹念に引き、ようやく一枚の花弁のこの細かな陰影が仕上がります。



ボタン剣の花にも色々ございますのでね。

ごくごく安全安心の正統派から、自然主義や印象派。
ブラウンスドルフの浮き上がって耀く花。

大体その辺りから足を伸ばしてこちらにお越しになる方々がいらっしゃるようです。

所謂マイセンに馴染まれておられる方々。
普通のものは一通り持たれていて相当良い作品もお持ちの方々。

つくづく思うのですが憎いですね、マイセンは。
御商売上手でいらっしゃること！



プレートの縁やの金彩はかなり薄れており、カトラリー痕も幾つか見えます。色跳びや黒点、釉薬の一部取れなどもございます。
カップの金縁には赤黒くなっている箇所があります。



マルコリーニ時代のような深い味わいのある花です。
私以外にもどなたか惹かれて下さる方がいらっしゃる事を願いつつ。

ご検討頂けましたら幸いです。


（御参考)
カップ口径　：約 7.0 cm
　　　高さ　：約 7.8 cm
プレート直径：約 20.8 cm


※ このプレートを御覧下さっている方々には釈迦に説法と存じますが、この時代 (19世紀半ば〜20世紀初頭) にまで遡りますと近代～現代の物と比べ白磁の質は滑らかさや均一さという点でまだまだ成熟しておらず、焼成技術も日々磨かれていくという、マイセンが大きく花開く発展期でした。
ただ、「焼き」の技術と比較して「絵付け」の魅力は皆様御承知の通りです。

※ プレートの裏側にはフック付き壁掛け用具が貼ってあります。後からお出しするプレートのうち一つではこれを剥がしたものを御覧頂けます。出品の為に無理矢理剥がしたもので、綺麗には取れていません。